Sunday, July 22, 2007

ペンクリニック

最近、万年筆にはまっている。筆圧をあまりかけずにすらすら、ヌラヌラ書けるところが心地よい。

先日、実家に戻って旧・自分の部屋を探し回りセーラー・プロフィット・スタンダードM2本とB1本、シェーファーの鉄ペン2本を掘り出してきた。
プロフィットのMの1本はインクかたまりで書けず、Bはペン先が首軸に陥没していて無残な姿になっていた。どうしようかと思っていると、セーラーのHPにペンクリニックの告知。電車で4、50分ほどのところのホームセンターにあの川口さんがいらっしゃると分かり、早速、出かけた。

持ち込んだのはM1本と、インクがかすれ気味だったウォーターマンのカレン(茶色)。10時開始予定のところ、9時半すぎには着いてしまったのだが、白衣姿の川口さんは「今からでもいいですよ」と快く調整を始めてくれた。

ペン先調整を見るのは初体験。超音波洗浄器で1、2分きれいにした後、ペーパーや切り割り調整のものすごく薄い金属片などでペン先をくりくりすると、あら不思議、言うことをきかなかったペンたちが生まれ変わった。

自分の名前や「永」「春夏秋冬」など試し書きで、蘇った書き味を確認していると、川口さんが「万年筆はペンの自重だけでインクが出なければダメ」と手のひらにペン軸をのせてすーっと紙の上をすべらせた。もちろん、インクはちゃんと出る。

「だから万年筆は書きやすいのですね」と感心していたら、「でもね、自重だけで書けるペンはそんなに多くはないんだよ」と川口さん。ペンが直っただけでなく、なんだか心も得した気分だった。

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