Friday, August 24, 2007

ジョン・レノンを殺した男

1980年12月8日
ジョン・レノンはなぜ、どんな人物に殺されたのか。
犯人と事件の真相に迫る衝撃作『チャプター27』の完成披露試写を観に行った。殺害犯のマーク・デイヴッド・チャップマンがジョン・レノンの音楽やサリンジャーの著作『ライ麦畑でつかまえて』の影響を受けて殺害に至ったという経緯はよく描かれていた。原案は「刑務所で200時間に及ぶインタビューをした」のだから、『ライ麦畑~』のホールデンになりきっていたチャップマンの心理や行動に忠実だ。

でも事件の真相はそれほど衝撃的なのだろうか?精神的不安定なチャップマンがホールデンとの類似点を自分で作ったり、たまたまの偶然の一致を勝手に「解釈」したりしながらジョン・レノン殺害に至るまでは、「衝撃的」というよりむしろ「あの事件の真相はやっぱりこんな感じだったんだ」と予想通りで普通だった。チャップマンにとっては殺害までのマンハッタンでの3日間が重要なのだろうけど、映画としては驚きの過去が複雑に組み合わさって3日間が語られる感動作でないので、シンプルで物足りなさを感じた。

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